金沢大学心理学プログラム

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公認心理師養成プログラム

公認心理師養成プログラムからのお知らせ

公認心理師とは

2017年9月に施行された公認心理師法に基づく国家資格が「公認心理師」です。公認心理師になるためには、心理に関する支援を必要とする人々への援助や心の健康の促進を行うための専門知識及び技術を習得することが必要です。そのために大学の段階から心理学及び関連分野に関する学習を深め、実習を通した訓練を行います。
公認心理師が主に活動するフィールドは、保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働の5分野です。例を挙げると、保健医療分野では病院に勤めて身体及び精神疾患の患者さんへの心理支援に関わる業務を行います。また、教育分野であれば学生相談やスクールカウンセラーとしての業務、司法・犯罪分野では家庭裁判所調査官や法務教官として処遇や更生保護に関わる業務を行うことができます。公認心理師はその専門知識の性質上、社会に生きる様々な人々に関わり、人々の様々な問題に対して心理学を活用した関わりを行います。

公認心理師養成プログラム

これから大学に入学して公認心理師の受験資格を得るためには、4年生大学において定められた科目の単位を修得し、大学院の進学・修了もしくは特定の施設で2年以上の実務経験を得る必要があります(参考:https://www.jccpp.or.jp/Top.cgi)。
金沢大学では学部・大学院において公認心理師の受験資格に必要なカリキュラムを全て整備しています。下に本学のカリキュラムで受験資格を得るまでの流れを示します。

金沢大学での公認心理師受験資格取得の流れ

学部のカリキュラムについて

本学で公認心理師の受験資格を得るためには、まず2〜3年次までに主に人文学類に設置された心理学関連科目を42単位分修得する必要があります。これらの科目を通して心理学全般の知識を深め、心理学の研究能力を身に付けることになります。本学では1年次の段階では公認心理師の受験資格に必要な科目を履修することはできません。
4年次以降は公認心理師養成プログラムを履修し12単位分を習得することになります。公認心理師養成プログラムでは心理実習での学外実習を行い、心理演習で心理支援の本格的な訓練を行います。また、臨床心理学の様々な分野の実践についても学習することになります。公認心理師養成プログラムの定員は15名となっており、仮に希望者が定員を上回った場合には選考を行います。学類での公認心理師受験資格に対応した科目のリストは下に記載します。

公認心理師を志望する方は、受験資格を得るために必要な科目・単位数が多いこと、心理学の専門知識を身に付けるには実験や統計学など自然科学や社会科学の方法も学ぶ必要があることを踏まえ、 3年次までの履修計画を慎重に立てることをおすすめします。金沢大学の心理学教育は動物心理学・認知心理学といった実験心理学の専門を徹底的に修得し、臨床心理学・健康心理学・犯罪心理学といった応用分野に発展しますので、心理学の根幹を成す知識や方法を意欲的に身に付けることが求められます。

大学院のカリキュラムについて

本学の大学院では人間社会環境研究科博士前期課程人文学専攻に公認心理師養成プログラムを設置しています。2年間で42単位の単位取得と修士論文によって修了し、修士号を取得することができます(なお、本学では大学院科目の単位とは別に、外国語検定試験の受験も修了要件に含まれています)。このうち、28単位が公認心理師の受験資格に必要な科目です。それ以外の単位は研究指導や研究倫理などの科目になります。大学院での公認心理師受験資格に対応した科目のリストは下に記載します。

大学院公認心理師養成プログラムの科目を履修することにより、心理支援の専門知識や方法について訓練を受けます。また、実習科目である心理実践実習では博士前期課程入学当初から学外施設を中心に実習を行います。実習では実習施設の指導者や教員から指導を受けながら個別のケース担当も行います。また、児童生徒に直接的に心理支援を行うこともありますので、大学院生といえども安全や倫理的配慮については要求が高いことを理解してもらう必要があります。
公認心理師の国家試験受験については2024年度から3月に実施されますので、2023年度以降の大学院入学者は在学中に受験することになります。在学中から国家試験受験に向けた勉強を進め、授業や実習との両立も必要になります。なお、本大学院のカリキュラムは臨床心理士の受験資格に対応していません。公認心理師の受験資格のみに対応しております。

特徴

小規模かつ充実した教育体制

本学の公認心理師養成プログラムの定員は学部で15名、大学院では5名定員となっています。教員の目が届き、相談しやすい教育体制です。また、臨床心理学を専門とする教員は、医療・教育・司法犯罪分野で臨床と研究に従事しており、認知行動療法・ペアレントトレーニング・司法面接などの専門的教育を受けることができます。

大学院生には専用の院生室を確保していますので、大学内で過ごしやすい環境です。また、様々な心理学分野で研究業績のある教員が在職しているため、授業や研究活動を通して多様な心理学に触れることが可能となっています。心理学プログラムの教員構成や教育環境については以下のサイトをご参照ください。
http://psychology.w3.kanazawa-u.ac.jp/index.html

研究活動のサポート体制

本学の大学院では金沢大学博士研究人材支援・研究力強化戦略プロジェクト(https://www.kanazawa-u.ac.jp/campuslife/economic/f-ship)を展開しており、博士号取得を目指す学生はフェローシップに採用されれば経済的補助や学費免除の支援を受けることができます。大学院公認心理師養成プログラムでは研究能力を持つ公認心理師の養成にも力を入れており、実習や授業出席と並行して心理学の様々な専門性を持つ研究者とともに研究活動を行うことができます。研究指導可能な教員については以下のサイトをご参照ください。
https://human-socio.w3.kanazawa-u.ac.jp/master/humanities/class03/

多様な実習 実習施設の例

学部の心理実習では附属病院、附属学校、少年鑑別所・少年院などで実習を行います。また、附属病院では3日間の実習を行いますので、学類の段階で比較的充実した実習を開始することができます。さらに大学院では心理実践実習として上記施設に加え石川県内の教育センターや福祉機関での実習を継続的に行います。一部を除いて実習施設を選択することが可能となっており、自分の興味関心や将来設計に基づいて実習先を検討することになります。博士前期課程では心理実践実習で最大約700時間の実習を行います(本学には附属の相談室は未設置のため、実習は附属病院を除いて基本的に学外実習です)。心理実践実習の最低要件は450時間以上の実習ですが、それを大きく上回る充実した訓練を受けることができます。

入試について

学部

学本学に入学した学生は、どの学類であっても公認心理師の受験資格に必要な科目の履修が可能です。しかし、人文学類心理学プログラム以外の学生が本籍の卒業に必要な単位に加えて心理学関連科目の単位を修得することは非常に困難になります。2年次以降に人文学類の心理学プログラムに所属した場合には、卒業に必要な科目の単位との重複が多いため、公認心理師の受験資格を得ることは比較的容易です。人文学類の入試情報については、下記サイトをご参照ください。
https://jinbun.w3.kanazawa-u.ac.jp/examination_magnification1026.html

大学院

大学院では人間社会環境研究科博士前期課程人文学専攻公認心理師養成プログラムに入学する必要があります。注意点として、4年生大学において公認心理師の受験資格に必要な科目の単位を修得していない場合は、本学の大学院を修了しても受験資格を得ることはできません。よって、本学の大学院を受験される前に大学において必要な科目の単位が修得済または見込みであることをご自身でよくご確認ください。また、研究指導を希望する教員には願書受付期間が終わるまでに研究テーマについて相談されることをお勧めします。人間社会環境研究科博士前期課程の入試情報については、下記サイトをご参照ください。
https://human-socio.w3.kanazawa-u.ac.jp/admissions/adm_master

問い合わせ先

学部について:金沢大学人間社会系事務部学生課教務・学生係
eMail:n-kyomu@adm.kanazawa-u.ac.jp

大学院について:金沢大学人間社会系事務部学生課 大学院・留学支援係
eMail:n-daigakuin@adm.kanazawa-u.ac.jp