金沢大学人文学類心理学プログラム(学士課程)での学習・教育の紹介
行動や認知などを実証的に研究するという立場から,本研究室では,実験・調査といった手法による実証的な心理学を学びます。主なカリキュラムは以下の通りです(これらのカリキュラム構成は,日本における学士課程の心理学教育の標準的な形をなしています)。
実証的な心理学を理解し研究するためには,一定の基礎的な知識が不可欠です。そのため心理学コースでは,早いうちから幾つかの科目について必修科目として積み上げ式に履修することになっています。これらが履修できていないと最終的に卒業も出来ない仕組みになっていますので,注意が必要です。
1)実験・実習・統計法・卒業研究
2年生では基礎演習・実習科目の「心理学実験1A,1B,2A,2B」が必修となっています。ここでは与えられた複数のテーマについての実験を行い,データを分析し,レポートにまとめます。毎週提出が義務づけられるレポート書きは決して楽ではありませんが,これによって心理学実験の基本的な手法を学ぶことが出来ます。
データ分析には統計法が用いられることから,2年生ではこの統計法の基礎を学ぶ「心理統計法1A,1B,2A,2B」(基礎講義科目)も必修となっています。心理学で使われる基本的な心理統計を学びます。
3年生では基礎演習・実習科目のうち「心理学研究法1A,1B,2A,2B」「心理学実験・調査演習A,B,C」(うち2科目)がプログラム必修科目として設定されています。「心理学研究法1A,1B,2A,2B」ではより高度な実験の技法や調査の手法を学びます。また,「心理学実験・調査演習A,B,C」では自らの関心に基づいた研究テーマについて実験・調査を行いレポートにまとめ,これを土台にして4年生での卒業研究へと進みます。
4年生では自らの研究を「卒業論文」にまとめます。
2)講義・演習
心理学研究の全体像をつかめるようにした心理学概論A,Bが用意されています。
このほか,心理学の諸領域(神経心理学・認知心理学・学習心理学・人格心理学・社会心理学・臨床心理学)について概説する講義や隣接領域の講義,テーマを絞った特殊講義が「人文学基盤科目」および心理学プログラムの「基礎講義科目」として用意されています。また,英語論文などを読み,専門のテーマを学ぶ演習も発展演習・実習科目として用意されています。
人間社会学域 公認心理師養成プログラム
大学(学士課程)において公認心理師受験に必要な科目を揃えるためには,「人文学基盤科目」および心理学プログラムで開設される「基礎演習・実習科目」「基礎講義科目」「発展講義科目」のうち必要な科目すべてを標準履修年次3年生までに履修し終えた上で,4年次以降に,より専門的な科目を集中的に学ぶための「人間社会学域 公認心理師養成プログラム」に配属される必要があります。
- 公認心理師養成プログラムに配属される前提条件となる必要科目については入学時に配布される「人文学類ハンドブック」を参照して下さい(入学年度によって科目構成などが若干異なる場合があるので,自分の入学年度のハンドブックを参照してください)。なお,この要件は,心理学プログラムとしての卒業要件とは別ですので注意してください(公認心理師に必要な科目に必要な科目を履修しただけでは,心理学プログラムとしての卒業要件は満たしません)。
- 「人間社会学域 公認心理師養成プログラム」では,「人体の構造と機能及び疾病」「精神疾患とその治療」「関係行政論」「公認心理師の職責」「心理演習」「心理実習」の科目を学びます。これらの科目は卒業要件にはカウントされません。